しろありNo.165
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29Termite Journal 2016.1 No.1656.まとめ 鹿児島県の工場3棟で発生したアメリカカンザイシロアリ被害は, 駆除後に行った4回の点検, 一部再駆除により, 被害低減が確認された。被害低減の要因として, ムースエアゾールとピペットノズルの組合せ使用, 糞出し孔からのムース注入が挙げられる。被害部にムースを注入することで, 白蟻を確実に駆除することが可能となった。この工場では, 別な建物でも被害が発生している。今後も, ムースエアゾールとピペットノズルの組み合わせで駆除を行い, 点検を続けて行きたいと考えている。駆除と点検を繰り返すことで, アメリカカンザイシロアリの被害が低減し, 収束することを期待する。引用文献1)永江正治, 廣瀬博宣 (2015):鹿児島県でのアメリカカンザイシロアリ駆除報告,しろあり, No.163,38-44.3)被害の大きな杉木片へのムース注入 被害が大きく, 虫糞も多い杉木片にムースを注入した。その後, 被害部薄皮をめくると, アメリカカンザイシロアリがムースを避け, 1箇所に集まっていた。職蟻, 生殖虫, 兵蟻など30匹が集まっていた。白蟻を採取したが, ムースに触れたのか, 動きが緩慢で, 薬剤の影響を受けていた。3時間後には殆どが死滅した。ムースが被害部に確実に注入されることで, 生存しているシロアリにムースが付着し, 死滅する状況を確認した(写真27~29)。写真27 杉被害木片にムース注入写真28 1箇所に集まったカンザイシロアリ写真26 ムース注入部上側薄板部ムースで変色写真29 採取したカンザイシロアリ

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