しろありNo.166
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15Termite Journal 2016.7 No.16615 雨仕舞いや床下の通風状態は建物の日常的な利用状況が反映されるのもと考えられる。そのため, 本調査では必ずしも避難所建物の利用頻度が明確になっていないものの, 多くの調査対象建物では地区住民の公民館活動等として日常的に利用されているものが多いことから, このような現況にあるものと推察された。4.2 蟻害及び腐朽の現況 新築時の防蟻・防腐処理は75%が不明であったが, 19%で実施されており, 6%が未実施となっている。一方, 防蟻の再施工についてはほとんどが不明となっている。建物へのシロアリの侵入の危険性を高める恐れのある建物外部の木柱, 切り株(図17), 生立木のシロアリの食害について, 約10%程度で発生が認められた。クモ, ゴキブリ, ムカデ等の不快害虫は52%で認められた(図18)。床下における不快害虫の発生は, 定期的な点検等の維持管理行為の頻度が低い事が要因の一つであると考えられる。 図19に示すように, 部位別の蟻害・腐朽の発生状況を見ると, 被害の発生が最も多い部位は土台木部・床組の蟻害となっている。次に基礎コンクリート表面(建物内部側)の蟻道の付着, 構造躯体の腐朽, 水回り木部の蟻害の順に被害が多い。調査対象避難所の設置地域はイエシロアリの活動が認められる地域もあり, 建物の上部構造の被害も懸念されるが, 小屋組・天井裏木部の被害は調査97棟中, 6棟と少なかった。図14 外装仕上げ材(n=97)図17 建物周辺の切り株の蟻害(n=97)図18 不快害虫の発生(n=97)図15 屋根葺き材料(n=97)図16 雨漏りの状況(n=97)

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