しろありNo.166
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42Termite Journal 2016.7 No.16642高い値を示した。また, 金物周辺の食害が激しいものであっても極端に初期剛性の小さいものはみられなかった。SKは, WKよりも少し高い初期剛性を示した。これは, 柱の樹種に関係があると考えられ, ホワイトウッド集成材よりスギの方がほぞ自体の食害が少なかったためと考えられる。4. 測定機器の測定値と引張試験の実験値の関係 図8〜11に, 劣化度合いを診断する機器の測定値と引張試験の実験値との関係を示す。また, 打込み深さの値は, 土台を13箇所計測した内の, 接合部に近い中心の値を使用した。 図8の土台における超音波伝播速度-最大耐力の関係では, 全ての試験体で超音波伝播速度に大きな違いはみられなかった。また, WK・SKに比べて, WPは超音波伝播速度の差がより小さい傾向にあった。 図10の柱における超音波伝播速度-初期剛性の関係では, 各試験体とも超音波伝播速度の値が大きくなるに従って, 初期剛性も大きくなった。また, スギよりもホワイトウッドのほうが超音波伝播速度の値の分布が広くなっており, これはほぞにおける食害の程度の違いによるものと考える。図7 初期剛性の比較図8 土台における超音波伝播速度と最大耐力の関係図9 打込み深さと最大耐力の関係図10 柱における超音波伝播速度と初期剛性の関係024681012141605001000150020002500土台の超音波伝播速度(m/s)最大耐力(kN)WKWPSK0246810121416051015202530打込み深さ(mm)最大耐力(kN)WKWPSK01234567891005001000150020002500柱の超音波伝播速度(m/s)初期剛性(kN/mm)WKWPSK 図9の打込み深さ-最大耐力の関係では, SKにおいて, 打込み深さの値が大きくなるに従って最大耐力も低下する傾向がみられた。また, WK・WPとSKでは, 打込み深さに大きな差がみられ, これはスギとヒバの初期密度の違いによるものと考える。 図11の土台における乾燥後密度-初期剛性の関係では, WPで, 正の相関がみられた。しかし, WK・SKではばらつきが大きく, 相関はみられなかった。これは, 接合部のほぞや込み栓などの食害の進行部位の違いによるものと考える。

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