しろありNo.166
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54Termite Journal 2016.7 No.166543)AE計測結果a.AE発生数 14日間計測した, AE発生数を表2に示す。 1日目から, 蒸煮木材とホウ酸塩試験木材にAE事象が発生し, 蒸煮木材とホウ酸塩試験木材の食害を確認した。ホウ酸塩処理木材は, 白蟻の忌避は無く, 喫食阻害も無いことを確認した。 目視観察では, 3日目にホウ酸塩による死骸を確認した(写真12)。しかし, 各測定日のAE発生数を合計したAE総発生数は, 2日目に12,961と若干減少したが, その後増加し, 6日目は47,182を示した。AE総発生数の増加傾向から, ホウ酸塩による職蟻死骸は, 営巣生息数のごく一部で, イエシロアリの食害活動に影響を与える事象ではないことを確認した。 8日目, 気候の変動で飼育室温度が25.8℃に低下した。AE総発生数も前日の46,873から23,325に半減した。気温低下により白蟻食害量の減少が発生した。 10日目, オイルヒーターで飼育室を加温し, 室温を31℃に上昇させた。AE発生数が増加に転じた。 11日目, 蒸煮木材, ホウ酸塩試験木材のAE発生数が減少し, 杉材のAE発生数が増加した。このAE発生数変動は, 蒸煮木材とホウ酸塩試験木材が白蟻食害により殆ど無くなり, 白蟻の食害が杉材に移行したことを示している。b.試験木材別AE総発生数 試験木材別のAE総発生数を表3に示す。 AE総発生数の多い順は次の通りとなった。 蒸煮木材>ホウ酸塩>杉材>ネオニコチノイド系> ピレスロイド系 また, AE総発生数の大きさから, 蒸煮木材, ホウ酸塩試験木材の著しい食害, 杉材の僅かな食害, ピレスロイド系試験木材とネオニコチノイド系試験木材の無食害を推定した。写真31 杉材食害試験結果表2 AE発生数試験材名称試験片番号1日目2日目3日目4日目5日目6日目7日目8日目9日目10日目11日目12日目13日目14日目ピレスロイド系1A0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ネオニコチノイド系2A2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 0 0 ホウ酸塩3A20 18 63 105 9 27 57 79 149 345 699 1,093 1,936 7,789 蒸煮木材4A486 287 376 1,459 5,430 2,231 12,014 2,070 2,145 1,188 782 475 663 967 杉材5A1 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 16 ピレスロイド系1B0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ネオニコチノイド系2B0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ホウ酸塩3B1,642 1,595 3,424 3,783 6,209 10,641 8,273 4,830 5,692 7,192 3,647 665 722 79 蒸煮木材4B4,470 1,880 4,453 9,304 9,555 13,901 11,833 7,755 7,440 5,501 9,821 7,265 8,180 7,147 杉材5B6 0 0 1 6 0 17 0 0 0 50 194 552 2,354 ピレスロイド系1C0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ネオニコチノイド系2C1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 ホウ酸塩3C2,841 3,445 5,510 7,659 8,507 9,589 7,379 6,393 4,735 8,971 12,504 14,280 12,449 3,219 蒸煮木材4C5,361 5,583 10,729 14,867 10,354 10,677 7,185 2,059 761 2,160 519 940 459 431 杉材5C1,024 149 514 221 212 116 115 139 95 10 370 595 1,668 6,800 AE総発生数15,854 12,961 25,069 37,399 40,282 47,182 46,873 23,325 21,017 25,367 28,392 25,512 26,629 28,802 飼育室室温25.8℃25.5℃31.3℃31.9℃31.8℃31.8℃31.0℃飼育室暖房気温低気温低加温加温加温加温加温

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