しろありNo.167
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29Termite Journal 2017.1 No.167空き家対策協議会という窓口をつくり, いまのところ不動産, 解体, 市の部局等々ということで, 我々インスペクション, いわゆる蟻害・腐朽調査とか, その対策ということでシロアリ業者にまだ声がかかっていないというか, 今後我々がもっと積極的に取り組んでいかなければいけない部分があろうかと思います。 次に, 小坂さんからリフォームによる既存住宅の長期利用化ということで, 空き家を生かしていく。そのときに性能を上げてより耐久性を上げていく, その仕組みについて少しお話をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。【小坂】一般社団法人住宅リフォーム推進協議会の小坂と申します。 まず, 一般社団法人住宅リフォーム推進協議会は何者なのかというところから入りたいと思いますが, 実はリフォームに関連する団体, キー団体も含めて70団体が正会員でございます。そして, 各47都道府県, 政令指定都市等の特別会員104を合わせ持つ団体の団体という位置づけになります。そこから私は参りました。 この団体は何をしているのかというと, 1つ住宅リフォーム全般推進のために, 先ほど国土交通省様からお話がありましたが, いろいろな制度をわかりやすく解説して消費者にお届けします。あと, 今日のテーマと関わって来ますが, 「長寿命化リフォームの推進」というのを2010年に提唱して今年で7年目を迎えますが, ストック型社会の移行にはどうしたらいいかという調査研究をやっています。大会宣言の方で「住宅の長寿命化」というキーワードがありましたが, 私どもでは「住宅の長寿命化リフォーム」と呼んで, この普及推進に取り組んでいるところであります。 そして, これらの考え方を消費者の皆様とリフォーム事業者の皆様方にお届けするというのを主な活動としてやっております。大会の袋の中に一冊, 「住宅リフォームガイドブック」を入れさせていただきました。これは主に消費者の方々に, 「リフォームってこういうことに気をつけなければいけないですよ, 税制の優遇にはこんなものがありますよ」という冊子を作っています。また, 今日は皆様方のお手許にはお届けできませんでしたが, 今日の本題であります「長寿命リフォームの提案」, これは7年目になりますので, 「vol.7」ということで先日出来上がったばかりですが, これは事業者の皆様にお届する冊子ということで, 年間消費者の皆様方1,000人ぐらい, それから事業者の皆様に毎年1,000人ずつぐらい, こういった考え方をセミナーという形で全国各都道府県のご協力を得ながら推進しているという団体になります。 前置きが長くなって申し訳ありませんが, 「長寿命化リフォームって何ぞや」ということに入っていきたいと思います。 先ほど真鍋課長様の方からお話がありました資料の12ページの下に, まずインスペクションをやるのだ。そして, 省エネ性, 劣化対策, 耐震性を高めて計画的な維持管理をしていきましょう, こういうことを1回のリフォームで行うと補助金等が出る, こういう制度です(図8)。 私どもが提唱している「長寿命化リフォーム」は, 理想形として, 必ずしも1回では出来ない消費者の方もいらっしゃるだろうということで, 2年, 3年, 5年に亘って住宅の性能を上げていってもいいのではないかと, わりと緩やかな考え方として提唱しております。 そこの考え方の根本にあるのは, まずはスケルトンとインフィルに分けること。スケルトンを長期に亘って高耐久であるということをまず第一番にやりましょう。そして, 水回り等々を含めたインフィルの方は適宜リフォームを実施していきましょう, こういう考え方になります。 では, その中でどういう性能を上げていくのかというのが4つありまして, 重複になりますが, とにかく耐久性能を上げましょう。それから, 耐震性能をしっかりしましょう。そして, 省エネルギー性能もきっちりやりましょう。そして, バリアフリー性能も上げましょうということで, 4つの性能向上をまずきっちりやりましょう。その上で, 住まわれている方の思いとかニーズに応じて必要なリフォームを行っていきましょう, こういう考え方になっております。 先ほどご紹介した本の7ページをご覧いただくと, 「消費者の皆さん, シロアリ対策というのは耐久性の1丁目1番地ですよ」とか, 11ページの上段には「インスペクションの基本のシロアリというのは絶対大事ですよ」ということを申し上げていますが, どうしてもまだまだ水回りとか, 非常に目につくところにリフォームのお金が流れているのかな。そうすると, 先ほど真鍋課長様からお話がありました「リフォーム事業を約2倍にしようということになかなか繋がっていかない, これを

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