しろありNo.167
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34Termite Journal 2017.1 No.167づいて, 建築士会が我々高知県シロアリ対策協会の方に調査依頼をするということで, 総括的なまとめは高知県建築士会がやるということで昨年実施いたしました。 そのとき, 「なぜ蟻害・腐朽検査員を」という問題ですが, 空き家で一番問題になるのは代執行が予想されるわけです。そのときに裁判になると, 「誰が検査したか」というのが非常に重要なことになります。 裁判のときに, 例えば, 我々の協会で単なるシロアリ駆除, 単なると言うと失礼ですが, そういう蟻害・腐朽検査員以外の者がやるのと, シロアリ防除施工士とどっちですか。やはり, 国交省にちゃんと認めてもらった資格の方が, もし代執行をやって裁判になったときに対応できるというようなことでやろう。蟻害・腐朽については, 蟻害・腐朽検査員に限る, こういうところで高知県はやります。ということでございますので, ひとつ申し上げたいは, せっかくの機会ですから長崎県の空き家対策とか, リフォームとか, その協議会に長崎県シロアリ対策協会がこうやって一生懸命頑張っていますのでメンバーシップ出入れていただいて横の連絡をしていただければ更に進むのではないかと思います。 長くなりますが, 避難所の問題は先一昨日に提案していたところ, 愛媛県からそれをやりましょうということで, そのとき愛媛県においても蟻害・腐朽検査員が調査するということが前段で決まっているということをご案内して, 我々の蟻害・腐朽検査員がこういう形で行政の間で便利に使っていただいているということをご披露しながら, ぜひ長崎県においても, あるいはリフォーム, あるいは保険についても, 我々の蟻害・腐朽検査員をぜひご活用いただきたいと思います。我々の実際やっている現場の状況を, いまご説明したような次第です。以上です。【森】ありがとうございました。私どもはこのときに協議会の他のメンバーにも諮りながら, ぜひ前向きに考えたいと思います。【土井】いまそういうご提案がありましたが, 地元の長崎県協会の皆さんとしては, 声をかければ十分参加して活躍していただけるということでしょうか。せっかく声をかけていただいても, いや誰もいないよという話になると非常に困るので, 万が一, 長崎県で充分対応できないということであれば九州協会としてバックアップをしていただいて, できるだけ参加をしてお互いに知恵を出し合っていけなければ。そのことが, 恐らく全国的な活動に広がっていくのではないかと思いますので, ぜひ地元の長崎県協会さんには頑張っていただきたいと思います。 それで, 私の方から小坂さんの方に, 長期優良化のリフォームの中で耐久性の問題があって, 耐久性能を上げていくという中で劣化対策等級3に充当するとか, 蟻害・防腐されている。新築の場合は劣化対策等級+αの例の床下点検口, それから小屋裏の点検口が必須になっているし, それから床下の330mmの実効高さを確保しなさいということになっていますが, この辺りは優良化リフォームの中ではどの程度求められるものでしょうか。【小坂】実は, その辺のモデルは国が定めた長期優良化住宅リフォームの要件を目指しましょうとは言っていますが, 冒頭申し上げたように予算の関係とかいろいろありますので, そこまでの縛り, 縛りというかそもそも認定業務ではありませんから, 「住宅を長く大切に使っていきましょう」という啓蒙活動ですから, 目指すところは国の標準を目指しましょうとは言っていますが, 具体的な数値はそこまで示していなくて啓蒙の段階になっております。【土井】はい。そうしますと, 質のいい住宅となるとまさにインスペクションよりも日常の維持管理が非常に大事になってくるので, インスペクションができない建物というのは即ち維持管理ができないという建物ですから。そのために, やはり床下の実効高さを確保していくということが恐らく, 一番大事ではないかと思っております。 他に, 会場の方からございませんでしょうか。日常的なシロアリの防除施工の現場で建物の問題, 先ほど南山さんの方から, 建築屋さんは下に潜らないというような情報については我々側が提供できるのだということでしたが, どうでしょうか。 日常的に防除施工の現場で潜っておられて, 「いや, これはシロアリ以上に建物に何か問題があるのではないか」というのは結構感じておられると思いますが。 いまのところ, 我々の蟻害・腐朽検査の報告書の中には建築に関わる話というのは一切入っていませんね。ある程度の所見という形では情報提供はできますが, 我々としてはなかなか言及しにくいというか, 当然, 耐震性能の問題なども責任が取れないので, そういう中パネルディスカッション

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