しろありNo.167
40/73

36Termite Journal 2017.1 No.167かりといまやっているという現実であります。【南山】インスペクション, 例えば一次検査, 5万円ぐらいで目視観察をやりますね。だけど, 実際にはその費用では余りにも足りないというのははっきりしています。その辺は, 保険法人としてそういう体制にはなっているのでしょうか。つまり, 財政的に。【小野】はい。まず事故が起こる割合というものがあります。それは, 一軒の家の方が必ず事故を起こすということになると, その一軒の方にすべていただかなければいけなくなってしまいますが, ある程度事故率は100のうちの何%, 何10%という形でルール算定しますから, 事故が起こったときの調査は確かに重くやりますが, それはあまつなく皆様から薄くいただいて, 一回目の端的な検査, 最初の軽いインスペクション, 先ほどもお話ししたように入りのところは少し緩めで, 出るときにしっかりと調査をするという形で対応するということで, 法人内ではしっかりとやらせていただいています。【土井】ありがとうございました。他に, 何か, 会場の方から。【黒田】黒田と申します。長崎の森課長にお聞きしますが, 私は関西に住んでいまして, リタイアしたら田舎に住みたいと思っています。それで, 空き家バンクのお話をされていましたが, 街に住んでいるものは憧れがあります。ところが, 田舎の古い家をリフォームして住むとカッコいいというテレビ番組がよくあります。ああいう雰囲気を, 空き家を管理しておられるところで斡旋していけるのと言うことをまずお聞きしたい。 それから, 空き家を簡単に求めている人, 希望者への斡旋を行政の方で具体的にされているのか, お聞かせください。【森】ありがとうございます。長崎県に限らずだと思いますが, 今年から移住にかなり力を入れていまして, 移住サポートセンターを県と21市町村でやっています。 例えば, いまのような関西からでも関東からでも, うちはウェルカムですが, 空き家, 例えば海の近くに住みたい。多分, 何々市に住みたいとかいう方はいらっしゃらなくて, 水がきれいなところとか, そういった条件で言われる方がいらっしゃると思うので, 移住サポートセンターの方で, 空き家の登録物件はいまのところ200数10軒しかありませんが, そこの中であれば, ご紹介を写真とか, 図面とか, 位置を見ながらご案内を差し上げます。それでもないということであれば, 各空き家バンクの担当に「こういった案件を探している方がいらっしゃる」ということをご紹介して, どこも競争ですから, 一人でも多く来ていただきたいということがあるので, そういった方にご紹介するために不動産屋のかわりではありませんが, そういった活動もすることになっています。 あと, 空き家ですから当然改修費が罹りますが, うちの県の中で14市町が空き家バンクは持っていますが, その中の半分ぐらいは空き家回収, 特に市町外からとか, 県外からだともっといいですが, 改修費の補助も出しているところがありまして, これもよその県でも出してはいますが, うちの県でもそういうのを出そうということになっています。 実は, リタイアの時期が15年後とか言われる, そのころはないかもしれませんが, ここ2, 3年の間でしたら, そういう補助もまだあると思いますので, ご検討があればぜひ長崎の方に下見に来ていただきたいと思います。 長崎県が唯一自慢できるのは, 先ほど申し上げたように離島が多いということもあって, 公共交通機関が割と弱いわけです。それを逆手にとって, 移住サポートセンターの方でレンタカーを貸しています。レンタカーと言っても, 普通の車ではなくてキャンピングカーを貸して1週間どうぞ, 好きなところに行ってください。そして好きなところを回ってもらって, 住みたいところ見つけて来てくださいというのもありますので, それを離島で借りたいという方もいらっしゃれば, 本土で借りたいという方もいらっしゃれば, 福岡から乗っていきたいという方も対応するようなので, 長崎県では弱点を逆手に取ってキャンピングカーで移住先探しというのはうちの県だけでやっていますので, ぜひ, そういうのもお試しいただければと思いますので, よろしくお願いいたします。【会長】その関連質問の中で, そちらで借りた場合, ふるさと納税とか, そういうのに適用していくとか, そういうことはありますか。【森】ふるさと納税で, 対価として空き家を借りるとか……。 いまやっている全市町村ではありませんが, 1市町村でふるさと納税したら, 納税した人の空き家を定期的に点検してあげるというのはやっていますが, まだそこまで納税した人に改修費用どうのというところまでは結びついていないので, 今後競争が激しくなれば, 多分そういう知恵を出すところもあると思います。パネルディスカッション

元のページ  ../index.html#40

このブックを見る