しろありNo.167
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46Termite Journal 2017.1 No.167 空中音圧距離減衰測定結果のまとめを, 表3, 図13に示す。音圧の距離減衰特性は, 理論通り測定距離に反比例していることを確認した。00.20.40.60.811.21.41.60510152025303540450150300450600750900AE/マイクAE/マイク理論値マイク音圧Pa累乗(マイク音圧Pa)測定距離mmマイク音圧PaAE/マイク音圧比図13 空中音圧距離減衰特性写真6 パラボラ集音器外観表3 空中音圧距離減衰測定結果・AEセンサSV30-V感度5.62mV/Pa・マイクロホンCO-100K感度158mV/Pa・AE信号処理装置音圧レベル0dB=1μV3.4 シロアリ検知技術の選択 以上, ドップラレーダ法, 代謝水素ガス法及びマイクロホン式AE法の3種のシロアリ検知技術について, 実証試験を実施してきた。いずれの方式もシロアリの検知は可能であったが, 次の理由で, マイクロホン式AE法を選択し, 製品化することとした。① ドップラレーダ法は, 今回, 実験室レベルでの確認であり, 製品化のためには, 高性能信号処理, ドップラレーダのチップ開発など大幅な開発費, 工期が必要である。② 代謝水素ガス法は, 既に, 1ppm以下の低濃度の水素ガスを高感度に検出できる半導体式ガスセンサを用いたポータブル水素ガス検知器, ガスクロマトグラフが製品化されており, 装置の開発は不要と考えている。課題は, シロアリから発生する拡散しやすい水素ガスを如何にして捕集するかなど運用面にある。AE音圧PadBPa(88dB)測定値理論値150101.00.7104.4706.36.330093.20.2894.47015.412.645088.70.1724.47025.918.960087.90.1584.47028.425.275088.50.1684.47026.531.590084.40.1054.47042.737.8測定距離mmマイク平均音圧AE/マイク音圧比③ マイクロホン式AE法は, AEセンサの代用としてシロアリの摂食音を非接触で検出できることが確認され, 検査員が手に持って走査することで連続的に広範囲にわたるシロアリ探査が可能となる利便性が期待できる。製品化にあたり, 次の課題に留意して設計を進めることとした。 ・ 高感度化を図るための最適パラボラ集音器の設計・評価 ・ 小型軽量かつ低価格の超音波マイクロホンの選定・評価 ・ 装置の小型・軽量化, 省電力化 ・ 操作性, 表示など利便性の向上 4. マイクロホン式シロアリ検知器の製品開発5)4.1 シロアリ検知器製品設計6)1) パラボラ集音器による高感度化 シロアリの摂食音圧は, 図11に示したように木材表面付近では2mPa程度であり, 木材から1m離れた位置では, 距離減衰のため音圧が1/10の0.2mPaと推定され, マイクロホンノイズ0.4mPaに埋もれてしまう。そのため, マイクロホンに入射する音圧を上げるパラボラ集音器が必要となる。パラボラ集音器の感度は, 集音器の開口径とマイクロホンの受信径の比で決まる。パラボラ集音器の感度測定結果を図14に示す。パラボラ集音器の焦点位置にマイクロホン受信部を配置することでほぼ設計通り, 音響的に20dB(10倍)〜30dB(30倍)の感度向上が図れている。また, パラボラ集音器の中心線上にレーザポインタを配し, 指向角を±3°(-6dB@50kHz)と狭めることで, 摂食音発生位置の特定を容易にするとともに外来雑音の入射を低減している。パラボラ集音器の外観(開口径φ103mm×長さ200mm, 質量440g)を写真6に示す。

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