しろありNo.167
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57Termite Journal 2017.1 No.1673.判定 ヒラタキクイムシを対象とした簡易遺伝子分析の結果を図3に示す2)。Nested PCR法による増幅の結果を見ると, 対象としたヒラタキクイムシでは, 虫体由来の抽出液のみならず, その排出物由来の抽出液においても, DNAが増幅したことを示すバンドが見られた。一方, 比較として用いたナガシンクイムシ科の近縁種2種ではバンドが見られなかった。LAMP法による増幅の結果も同様で, ヒラタキクイムシの虫体および排出物由来の抽出液ではDNAの増幅を示す蛍光が見られるのに対し, 近縁種2種では虫体と排出物のいずれにおいても蛍光が見られなかった。 次に, アメリカカンザイシロアリを対象とした判定試験の結果を図4に示す3)。こちらの結果も同様で, Nested PCR法およびLAMP法のいずれにおいても, 虫体由来の抽出液のみならず, その排出物でも, アメリカカンザイシロアリに特異的なDNAの増幅が確認された。最終的には, ヒラタキクイムシでは5mgの排出物から, アメリカカンザイシロアリでは40mgの排出物から, それぞれを検出することに成功した。図2 排出物からの乾材害虫同定手法の概略図2, 3)

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