しろありNo.167
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60Termite Journal 2017.1 No.167廣瀬産業株式会社 廣瀬 博宣イエシロアリ営巣を用いたホウ酸塩表面処理木材の防蟻効力確認試験報告研究Research1. はじめに 公益社団法人日本しろあり対策協会が, 平成27年10月30日島根県松江市で開催した, 第58回全国大会の研究発表会で, イエシロアリ営巣を用い, 5試験体(ピレスロイド系薬剤処理蒸煮木材, ネオニコチノイド系薬剤処理蒸煮木材, ホウ酸塩処理蒸煮木材, 無処理蒸煮木材, 無処理杉材)の食害試験の結果を報告した。ピレスロイド系薬剤, ネオニコチノイド系薬剤で表面処理した蒸煮木材は殆ど食害が無かった。一方, ホウ酸塩で表面処理した蒸煮木材は無処理の杉材より著しく食害された。この試験内容は, 平成28年7月, 公益社団法人日本しろあり対策協会の機関誌しろあり166号に「イエシロアリ営巣を用いた木材処理剤防蟻試験報告」1)として掲載された。 但し, この試験の平均薬剤処理量は, 79.4g/㎡から89.1g/㎡で, JIS K1571で定める試料処理量110±10g/㎡より少なかった。JISより薬剤量が少ない前回の試験で, 著しいシロアリ被害が発生したホウ酸塩表面処理蒸煮木材について, JIS K1571で定めた試料処理量110±10g/㎡で防蟻効力確認試験を行ったので報告する。2. 試験方法 試験の概要を以下に示す。1)食害試験期間  10日間2)試験場所  廣瀬産業株式会社 シロアリ飼育室3)使用したイエシロアリ営巣  飼育を始めて6年が経過した, 営巣10年, 生息数100万匹と推定されるイエシロアリ営巣。使用した営巣は, 「イエシロアリ営巣を用いた木材処理剤防蟻試験報告」で使用した営巣で, 前回の試験終了後34日目から今回の試験を行った(写真1)。4)使用薬剤  食害試験には, 市販されている下記ホウ酸塩製剤を使用した。  ①ホウ酸塩   成分名:八ホウ酸二ナトリウム四水和物   使用濃度:15%(製品濃度15%)5)試験用木材  カラマツの蒸煮木材  寸法 35㎜×35㎜×長さ70㎜  カラマツの蒸煮処理温度時間:150℃・1時間金属フック:試験用木材には, 薬剤の処理洩れを無くすため, 吊下げ用の金属フックを取り付けた。アコースティック・エミッション(AE)計測用下穴:試験用木材には, AEセンサー取付用下穴(径1.6㎜×深さ20㎜)を設けた。6)薬剤表面処理方法  短時間浸漬処理  使用濃度の薬液を容器に準備し, カラマツの蒸煮木材を1分間浸漬処理した(写真2)。写真1 飼育イエシロアリ営巣

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