しろありNo.173
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しては特に入念に処理を行うものとする。 4.5  吹付け処理法で駆除を行う場合には, 被害の程度に応じて規定薬剤量よりも多量の薬剤を使用するものとする。 5. 穿孔処理法 5.1  穿孔処理法, 直径6〜13㎜のドリルで, 木材の1/2以上の深さまで孔を穿ち, 吹付け器などで孔の容積に応じて, できるだけ多量の防除剤を加圧注入したのち, 予防剤で処理した木栓(長さ3㎝以上)を埋込むものとする。ただし, 穿孔する箇所は, 予防処理の場合, 駆除処理の場合とも木材強度を低下さすことのないように考慮し, 駆除にはとくに被害部を重点的に穿孔して処理するものとする。 5.2  穿孔処理法で蟻道に薬剤を注入する場合には, ドリルの孔の径は規定の径によらなくてもよく, かつ多量の薬剤を加圧注入するものとする。 2 . 混合法は, 基礎の内外, 束石の周囲, その他処理しようとする箇所の土壌の約30㎝深さを, 処理を容易にするために土壌を適当にやわらかくしてから薬剤をよく混合して処理する。    この場合の薬剤は粉剤を使用し, 使用量の基準は1㎡につき600g以上とする。なお, 処理後は支障のないようによくつきかためておくものとする。 3 . 散布法は, 表面散布あるいは層状散布法により行うものとする。 3.1  表面散布法は, 基礎の内外, 束石の周囲, その他処理しようとする箇所に均一に行きわたるような方法を講じて散布する。    この場合の薬剤は液剤を使用し, 使用量の基準は1㎡につき5〜10ℓとする。 3.2  層状散布法は, 基礎の内外, 束石の周囲, その他処理しようとする箇所を適当に掘る。    この場合の薬剤は粉剤を使用し, 使用量は粉剤を2回以上に分けて600g以上を均一になるように層状に散布する。なお, 処理後は支障のないようによくつきかためておくものとする。 改訂箇所: 従来は既設建築物の予防または駆除に適用するだけであったが, 新築の予防にもという意見が取り入れられた。 次に, 土壌処理法の薬剤量「1㎡につき5ℓ以上」を昭和45年(1970年)1月29日の理事会の仕様書改定案で「1㎡につき10ℓ以上」を策定し, 同年2月の第13回全国大会高知で改定案を発表・説明した。この改定案に対し, 和歌山県の近畿白蟻の上田清社長が「1㎡につき10ℓ以上も土壌表面へ土壌処理剤を散布できない」と発言され, 出席者の賛同を得たので, 改定案の作案者側と防除士側との話し合いを行った結果, 昭和45年(1970年)12月25日理事会で1㎡当り5〜10ℓと改訂することを決定し, 翌年の昭和46年(1971年)2月発行の「しろありNo.14号」で発表した。 解説:森本博 吹付け処理および塗布処理でも, 1回で大体ここに規定した量の処理は可能である。規定では, 2回以上処理することを標準とするとしているから, 1回の処理量の約2倍になるわけである。もっともこれは予防処理, 駆除処理の目的で行われるものであるから, その目的に応じて薬剤量の調節をすることは必要である。1回の処理後さらに処理を行う場合には, 前回の薬剤が完全に吸収してから行われなければ効果は期待出来ないから, 適当に乾燥のための時間をおかねばならない。処理する薬剤量は使用量ではなく, 木材に吸収する薬剤量であるから, 使用量は当然これよりは若干多くなる。1回の吸収量としては何れの場合も多すぎるという意見もでたが, この量は不可能の量ではなく, これだけ吸収させたい。3939Ⅳ 土壌処理法 1 . 加圧注入法は, 基礎の内外, 束石の周囲, その他処理しようとする箇所に加圧注入器を挿入して薬剤を加圧注入する。薬剤使用量は1㎡につき5〜 10ℓとする。

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