しろありNo.174
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2828性剤, シペルメトリン, ペルメトリン, プロピコナゾールの定性定量分析を行ない, 木材中の深さに関する関数として浸透の分布を定量化した。これらの結果は, 環境への影響を最小限に抑えた毒性の低い分解性の防腐剤の木材への浸透や保持力を推定するのに役立つ。[P18] 台湾で使用される防蟻剤の評価方法の開発Developing Evaluation Methods for Termiticide used in Taiwan Guan-Hon Chenら3名(National Chung Hsing University, Taiwan) 台湾における建物の害虫被害は, 北西部でCoptotermes formosanusが, 南西部でC. gestroiが主な原因となっている。台湾では両種による損失は年間10億NTD(約3,300万米ドル)と推定されている。防蟻剤の効果を評価する標準的な方法が台湾ではまだ決まっていない。そこで, 台湾の環境保護局では, 市販の主要な防蟻剤をスクリーニングするためのプロトコルを設定したいと考えている。台湾では, 害虫駆除業者がシロアリ駆除をしており, 前処理は法律では強制されていない。防蟻剤の効果を評価する適切で有用な方法を提供するために, 害虫駆除業者にアンケートを実施した。登録情報の中からランダムに害虫駆除業者を選び, 1107社の5%にあたる56社から回答を得ることを目標とした。会社の背景情報以外に, 次のふたつの質問を行なった;(1)どのような頻度でどのような種類のシロアリ防除方法を行っているか?(2)どのような頻度でどのような種類の防蟻剤を適用しているか?という質問である。回答結果から, 4種類のシロアリ防除法が適用されていることが分かり, その内訳は, 木材への防蟻剤注入(89%), 土壌への防蟻剤注入(75%), 屋内木材への噴霧(50%), ベイト(89%)であった。また, 使用されている有効成分は5種類で, その内訳は, フィプロニル(96%), ヘキサフルムロン(25%), イミダクロプリド(12%), クロルピリホス(5%), メタホウ酸ナトリウム四水和物(1%)であった。これらの調査から, 環境保護局に対し, 木材と土壌に液体防蟻剤を注入することとベイト剤を用いることの3つの防蟻剤評価方法を提案した。主要害虫は2種いるため, 両種に対しての効能を評価する必要がある。そのため, シロアリ駆除剤のスクリーニングには合計36の試験が必要である(シロアリ2種×3コロニー/種×3繰り返し×実験区と対象区の2グループ)。[P19] 韓国の重要な木造文化財におけるシロアリの被害Termite Infestations in Important Wooden Cultural Properties of Korea Hyean-Cheal Parkら2名(Pusan National University, Korea) 朝鮮半島では2種類のシロアリReticulitermes speratus kyushuensisとR. kanmonensisが報告されている。これまでに, 韓国南部の釜山, 晋州, 麗水といった地域において, シロアリ被害が報告されているが, 北部にて新しく被害が検出された。これまでよりも, シロアリの活動は長くなり, 分散飛行も早くなっており, これらは地球規模の気候変動によるものかもしれない。そしてこのことは, シロアリによる木造文化財への被害を深刻にする可能性がある。国立文化遺産研究所が行った調査によると, 70%の木造文化財がシロアリの被害を受けており, 中には1500年に建設された国宝として重要な建物も含まれている。それにも関わらず, 過去の被害が深刻ではなかったためか, シロアリの防除は無視されてきた。しかし現在では, 柱などの重要な構造体にシロアリ被害を見つけることは容易な状況である。韓国では, 液体防蟻剤, 燻蒸剤, ベイト剤が用いられている。この研究では, 現在のシロアリの問題を共有し, 韓国の特定地域におけるIPM方法論について議論する。[P20] シロアリ活動を監視するための非ループ法電磁誘導Features of Semiautomatic and Fully Automatic Systems for Monitoring Termite Activity using Electromagnetic Induction with Non-Looping MethodJunfeng Shenら4名(Zhejiang DEKAN Environmental Technology CO. LTD., China) シロアリの活動を監視することはシロアリ管理に重要である。本研究ではシロアリ活動をモニタリングするためのワイヤレスシステムについて紹介する。このシステムは非ループ式DEKAN電磁誘導(DEMILと記す)によるもので, 半自動および全自動のシステムを開発した。どちらも独立した知的財産権を保有している。半自動システムではシロアリ監視所と小型受信機からなり, RFIDによるシグナルを送受信する。全自動システムはシロアリ監視所と情報収集所とパソコン管理ソフトで構成されている。Lora技術は, シロアリ監視所と情報収集所の間での信号伝送に全自動システムを用いた半自動および全自動システムの特徴

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