王王図3 ヤマトシロアリにおける腸内細菌ネットワーク。灰色の丸は腸内細菌のOTU(operational taxonomic unit)を表し, 青丸はワーカー, 橙色は兵アリ, 黄色は二次女王, 黒丸は王を表す。丸同士を結ぶ線は, その腸内細菌が各カーストから検出されたことを示しており, 線の太さは検出個体数を反映している。コロニー番号016及び017の結果を示す。となるか否か)が終齢まで決定しない。一方でイエシロアリ・ヤマトシロアリにおいては個体の分化運命が3齢で決まり, 繁殖虫特異的な発生経路を持つ。これらの4種の繁殖虫とワーカーの腸内原生生物量を比較したところ, オオシロアリ・ネバダオオシロアリでは王と女王はワーカーとほぼ同じ量の原生生物を持っていたが, イエシロアリ・ヤマトシロアリでは王と女王は全く原生生物を持っていなかった。この4種の系統的関係については, オオシロアリ・ネバダオオシロアリが祖先的な種であるが, イエシロアリ・ヤマトシロアリは派生的な種として位置づけられる。したがって, 派生的な種において繁殖虫から原生生物が失われるメカニズムの獲得が示唆された。さらにイエシロアリ・ヤマトシロアリにおいては特に女王の腹部がワーカーと比較して大きく発達し, 産卵能力が高いことが分かっている。このことと本研究の結果から, 繁殖虫における原生生物の保持と繁殖能力のトレードオフ関係の存在が推測された。3535016017016016017017017兵アリ016ワーカーワーカー女王兵アリ女王
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