しろありNo.174
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*****n.s.n.s.n.s.n.s.***************n.s.44プロポーション項目表2 コウシュンシロアリ種群における琉球諸島の個体と台湾の個体の間での翅アリ及び兵アリのプロポーション値の比較翅アリ頭長/頭幅複眼長/頭幅単眼長/頭幅左大顎長/頭幅右大顎長/頭幅上唇幅/頭幅上唇長/頭幅下唇後基節幅/頭幅下唇後基節長/頭幅前胸背板幅/頭幅前胸背板長/頭幅前翅長/頭幅後翅長/頭幅脛節長/頭幅兵アリ頭長/頭幅頭高/頭幅複眼長/頭幅左大顎長/頭幅右大顎長/頭幅上唇幅/頭幅上唇長/頭幅下唇後基節前葉幅/頭幅下唇後基節最小幅/頭幅下唇後基節長/頭幅前胸背板幅/頭幅前胸背板長/頭幅脛節長/頭幅0.88-0.990.30-0.370.09-0.140.40-0.440.35-0.390.33-0.400.29-0.330.30-0.350.48-0.561.06-1.200.46-0.586.42-8.015.99-7.490.81-0.941.32-1.540.72-0.820.09-0.170.77-0.940.74-0.890.20-0.280.16-0.220.28-0.360.10-0.170.80-1.160.92-1.150.43-0.560.65-0.82琉球諸島の個体(n = 60)(スギオシロアリ)最小値-最大値0.93 ± 0.020.33 ± 0.010.11 ± 0.010.42 ± 0.010.37 ± 0.010.36 ± 0.020.31 ± 0.010.32 ± 0.010.52 ± 0.021.11 ± 0.030.54 ± 0.027.22 ± 0.316.69 ± 0.290.87 ± 0.031.44 ± 0.060.77 ± 0.020.13 ± 0.010.84 ± 0.030.81 ± 0.030.23 ± 0.010.19 ± 0.010.32 ± 0.010.14 ± 0.011.02 ± 0.071.03 ± 0.050.47 ± 0.030.71 ± 0.04平均値 ±標準偏差合った翅の色がコウシュンシロアリよりも暗色である(図3)。両種は異所的に分布しており, スギオシロアリは日本の琉球諸島(沖縄諸島, 先島諸島)に, コウシュンシロアリは台湾及び中国南部にそれぞれ分布する(図1)。0.92-0.980.33-0.360.11-0.140.40-0.420.35-0.380.33-0.370.30-0.320.33-0.360.52-0.571.11-1.230.54-0.597.13-8.236.72-7.610.83-0.931.46-1.590.78-0.850.05-0.150.89-0.990.86-0.950.22-0.240.19-0.220.38-0.400.15-0.191.00-1.240.95-1.210.44-0.530.65-0.75台湾の個体 (n = 14)(コウシュンシロアリ)最小値-最大値0.95 ± 0.020.34 ± 0.010.13 ± 0.010.42 ± 0.010.37 ± 0.010.36 ± 0.010.31 ± 0.010.34 ± 0.010.54 ± 0.011.17 ± 0.040.57 ± 0.027.61 ± 0.297.03 ± 0.280.88 ± 0.03*****n.s.******n.s.**********n.s.n.s.n.s.***, P < 0.001; **, P < 0.01; *, P < 0.05; n.s., P > 0.05(シーケンシャル・ボンフェローニ補正を用いたマン・ホイットニーのU検定)。Yashiro, et al. 2)より改変。1.52 ± 0.040.80 ± 0.020.11 ± 0.030.93 ± 0.020.90 ± 0.020.23 ± 0.010.20 ± 0.010.39 ± 0.010.17 ± 0.011.10 ± 0.071.06 ± 0.070.48 ± 0.030.71 ± 0.03平均値 ±標準偏差P6. スギオシロアリ 分子系統解析と形態解析を行った結果, 日本の琉球諸島に棲息するこれまでコウシュンシロアリとして扱われてきたシロアリは台湾に棲息するコウシュンシロアリとは別種であることが明らかになった2)。そのため, スギオシロアリ Neotermes sugioi Yashiroとして新種記載した2)。スギオシロアリの種名は, 本種の生態を長年研究されている杉尾幸司教授(琉球大学)に献名したものである2)。スギオシロアリは, 兵アリの頭幅に対する下唇後基節前葉の幅がコウシュンシロアリよりも狭い(図2, 表2)。また, 例外的な個体も僅かに見られるものの, スギオシロアリの翅アリでは, 重なり7. おわりに 日本の生物多様性のホットスポットである南西諸島からは, これまでに7,500種以上の昆虫種が記録され, そのうちの約27%が南西諸島の固有種である10, 11)。一方で, これまでに知られていた南西諸島固有のシロアリは, 家屋害虫として有名で分類学研究が進んでいる

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