2020の程度まで蒸発することを防ぐ能力を欠いており, それは急速な乾燥そして死に至る。これが, 地下棲息性シロアリが, 乾燥を防ぐための行動メカニズムとその微生息場所の最適化に大きく依存している主な理由である。したがって, 高いCP値は, これらの最適化とメカニズムを作り利用するのに有利である。ニシインドカンザイシロアリとN. jouteliは, イエシロアリとC. cavifronsよりもクチクラが厚かった。ニシインドカンザイシロアリは乾燥した環境に生息しているため, ワックス層のバリアを含む厚いクチクラにより, 体内に水分を保つことができる16)。それに対し, N. jouteliは湿った木材中に生息しているので, より厚いクチクラは必要ないように思われる。ただし, N. jouteliは大型種であるため, より厚いクチクラは, その体の大きさ/体積に関連するか(つまり, 構造的に維持するため), または吸水による生理学的プロセスの混乱(“過湿状態”)を防いでいる可能性がある。C. cavifronsは, 中間のクチクラ層の厚さで, イエシロアリよりも厚く, ニシインドカンザイシロアリおよびN. jouteliよりも薄い。Cryptotermes cavifronsは, 野外では低含水率と高含水率が両方ある木材に生息している。この生息環境は, 湿度と利用可能な水分の変動, およびそれらの一片の食料源への攪乱が起こる潜在的な可能性がある。したがって, 生息環境の変化に耐えるだけでなく, 平常時とストレス状態で水分が消失するのを適切に防ぐように装備する必要がある。走査型または透過型電子顕微鏡法および/または染色によるクチクラ層と厚さの識別を可能にするさらなる分析, およびGC-MS分析による体表炭化水素分析が必要である。4. 考察4.1 クチクラの厚さ 昆虫のクチクラ(および硬化部分)は, 内部および外部環境の安定だけでなく, 外部要因からの防御の重要な要素である。シロアリのクチクラの水分透過性は, この安定性と乾燥に対する耐性の鍵となる。シロアリは一般的に体表が硬化しておらず, 水分ロスを防止する課題は複雑であると考えられる。クチクラの調査により, より厚いクチクラは, 一定時間に蒸発によって失われる体水分量を少なくするという仮説が考えられた。これは, より低い皮膚透過性(CP)値に反映される。CPは, 単位表面積(cm2)/単位時間(h)/単位飽和不足(mmHg)あたりの水分損失量(μg)として定義され, 昆虫および他の節足動物のクチクラからの水分ロスを特徴付けて比較するためにしばしば使用される1,8)。甲虫とゴキブリのCPに関するこれまでの研究では, クチクラの厚さに関するこの仮定は立証されていない9–14)。これらの研究での比較的高いCP値に反映されているように, 極度に硬化した昆虫は簡単に水分が消失する可能性がある。Locke15), Beament16), Wigglesworth8), およびEbeling and Wagner17)は, 昆虫のクチクラをワックス層破壊剤(ピーナッツオイル, 研磨性粉末)および収着性粉末で処理すると, 速やかな水分ロス(乾燥)の原因となると述べている。同様の結果は, Collins18)やSponsler and Appel19)によるシロアリのクチクラに関する研究にもある。これらを併せて考えると, これらの研究は, クチクラの厚さがその組成(層状化および炭化水素)ほど重要ではなく, 脂質層が水分ロスに対する主なバリアとして機能することを示している20)。同様なことがシロアリにも当てはまる可能性が高く, 様々な生息域からのシロアリのクチクラ層の成分と体表炭化水素を分析すべきである。本研究と以前の研究21)の結果は, rectal padの幅や気門の形態などの生理学的特性が, シロアリ種の乾燥耐性の予測因子として役立つ可能性があることを示している。クチクラの厚さは恐らく適切な予測因子ではないが, ワックス層成分の組成および/または厚さは適切な予測因子である可能性がある。 本報告でのイエシロアリの薄いクチクラは, この種が乾燥〜中程度の湿潤状態で急速に乾燥するという観察結果を(部分的に)説明している可能性がある21)。薄く, 硬化していないクチクラは, シロアリ体内に水分を効率的に保持することができない。イエシロアリのようなシロアリは, 水分がクチクラを通してかなり4.2 Rectal padの幅 Rectal padは, 排泄物からの水分の除去を助けるように機能する。ニシインドカンザイシロアリは, 消化した木材から6個の厚いrectal padを通してほとんどの水分を再吸収し, 水分をほとんど含まない6角形のペレットを作る3,18)。しかし, N. jouteliのペレットは柔らかいか凝集していることから, N. jouteliの厚いrectal padがニシインドカンザイシロアリのような消化した木材から水分を再吸収し, ペレット状のフラスを生成するが, 生息環境によって二次的に湿っている湿っている可能性がある22)。クチクラ層の厚さと同様に, これはN. jouteliが大型であること, 必要な水の代謝率にも関係している可能性がある。腸の量が多いため, N. jouteliは, その生理学的/消化のニーズを満た
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