しろありNo.175
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すために, 消化した木材から水分を吸収するために, より厚いrectal padが必要なのかもしれない。イエシロアリは湿った地中生息しているので, ニシインドカンザイシロアリと同程度にその中の水を再吸収および/または保持する必要はないことが, rectal padが薄いことを説明しているかもしれない。rectal padの面積と形状を確認するさらなる分析が必要である。アリ科とレイビシロアリ科)間の気門の内部構造と形態で観察された差異も, 乾燥耐性を生理学的に制御する能力差を補助する可能性がある。2)Hadley,N.F.WaterRelationsofTerrestrialArthropods;AcademicPress:NewYork,NY,USA,1994;p.356.3)Noirot,C.;Noirot-Timothée,C.Finestructureoftherectumintermites(Isoptera):Acomparativestudy.TissueCell1977,9,693–710.4)Su,N.-Y.;Scherahn,R.H.Amethodtoaccess,trap,andmonitorfieldpopulationsoftheFormosantermite(Isoptera:Rhinotermitidae)intheurbanenvironment.Sociobiology1986,12,299–304.5)Martoja,R.;Martoja-Pierson,M.InitiationAuxTechniquede10HistologieAnimale;Masson:Paris,France,1967;p.345.6)Mayer,R.T.;Meola,S.M.;Coppage,D.L.;Deloach,J.R.ThepupalinstarofStomoxys calcitranscuticledepositionandchitinsynthesis.J.InsectPhysiol.1979,25,677–683.7)Chouvenc,T.;Su,N.-Y.;Robert,A.Cellularencapsulationintheeasternsubterraneantermite,Reticulitermes flavipes(Isoptera),againstinfectionbytheentomopathogenicfungusMetarhizium anisopliae.J.Invertebr.Pathol.2009,101,234–241.8)Wigglesworth,V.B.Transpirationthroughthecuticleofinsects.J.Exp.Biol.1945,21,97–114.9)Appel,A.G.;Reierson,D.A.;Rust,M.K.Comparativewaterrelationsandtemperaturesensitivityofcockroaches.Comp.Biochem.Physiol.1983,74A,357–361.10)Appel,A.G.;Reierson,A.G.;Rust,M.K.CuticularwaterlossintheSmokybrowncockroach,Periplaneta fuliginosa.J.InsectPhysiol.1986,32,623–628.11)Hadley,N.F.Epicuticularlipidsofthedeserttenebrionidbeetle,Eleodes armata:Seasonalandacclamatoryeectsonchemicalcomposition.Insect21214.3 腹部気門 4種シロアリの気門の形態と可能な機能メカニズムを調べた。気門は呼吸に関与し, クチクラの硬化した穴を通して外部環境と内部環境を繋いでいる。それらは, 水蒸気が体から逃げることができる別の開口部(口器と肛門をの他の)である。N. jouteliとCryptotermesに見られる分岐(secondary atrial arm)の機能は不明であるが, 筋肉の付着点, 気門の延長, ガス交換を補助する別の気嚢のような役割, または水分蒸散を防止する湿気/湿度トラップとして機能している可能性があるもしれない23)。切片スライドでは筋肉の付着が観察されたが, これらの筋肉がどのように接続されているか, および気門を閉じる際の役割は不明であった。閉鎖装置は明らかに4種すべてで多様であり, 昆虫の気門のatrialは長くて管状であることが報告されている23)。観察された気門の構造は, 気管に明確に接続され, 気管から分離されているが, これは, 気管主幹にみられるクチクラの肥厚がなく, 明確な環状肥厚を欠いていることにより証明されている。このような気門構造の相違(分岐したatrial arm)のは, ミゾガシラシロアリ類と比較した以前の研究で21), 3種レイビシロアリ類で見られるより大きな乾燥耐性を説明するのに役立つかもしれない。これらおよび他のシロアリの気門の超微細構造(走査型電子顕微鏡による観察)に関するさらなる研究が必要であるが, 本研究では, レイビシロアリ類とミゾガシラシロアリ類の気門に構造的な違いがあることは明らかである。5. 総括 本研究結果は, 4種シロアリのrectal padの幅(厚さ)に差異があり, この差異が糞の生成と利用を通じて乾燥耐性能力に役立つことを示している。本結果はまた, シロアリのクチクラ層の幅(厚さ)の違いを示しており, クチクラ層の厚さは乾燥耐性に役立っている可能性があるが, この耐性は主にクチクラのワックス層成分による可能性がある。シロアリ種(ミゾガシラシロ引用文献1)Edney,E.B.ZoophysiologyandEcologySeries:WaterBalanceinLandArthropods;Springer:Berlin/Heidelberg,Germany,1977;Volume9,p.284.

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