しろありNo.175
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FFFFFFFFFFFFFFFF22が成長し, かつ結晶サイズがマクロトリキア, ミクラスターそれぞれに比較的近くなる誘導体を選択し, 混合して, 同一表面上に二種類のサイズの針状結晶を成長させる方法を用いた。5) 先に述べた, ハスの葉の表面の濡れ性を再現したDAE1oの構造を図2に示す。この1oの結晶形は粒状であるが, クロロホルムなどの有機溶媒にこの結晶を溶かした溶液をガラス基板などにコートし, 溶媒が留去後, 1oの微結晶膜を得た。この表面に紫外光を10分間照射後, 30℃, 暗所下で24時間静置すると, 高さ10μm以上, 幅約1~2μmの1cの針状結晶が表面に成長する図1  各種シロアリの翅の表面構造のSEM画像 低倍率上段, 高倍率下段 a, b)テングシロアリの翅 Reprinted with permission from G. S. Watson, B. W. Cribb, J. A. Watson, ACS Nano, 2010, 4, 129., c, d)梅雨前に飛び立つヤマトシロアリの翅, e, f)梅雨期に飛び立つイエシロアリの翅, g, h)梅雨後に飛び立つ外来種アメリカカンザイシロアリの翅図2 シロアリの翅の構造を再現するのに用いた2種類のDAE誘導体の分子構造MeSiMeMeMeMeSiMeSSFFSSSSSSSSSSFFMeMeSiMe2oOMeMeO1oMeMeMeMeSiMeMeMeMeFFMeMeSiMeSiMeFFMeMeSiMeMe2cOMeMeO1cMeSiMeMe(図3a)2)。一方, ジアリールエテン誘導体2oの結晶表面に同様に紫外光を照射し30℃, 暗所下で9日間静置すると, 高さ約2.2~2.5μm, 幅約0.2~0.3μmの2cの針状結晶(図3c)が成長することが分かっていた6)。前者と後者はそれぞれマクロトリキアとミクラスターのサイズに近い。そこで, この二つの誘導体を混合することで, テングシロアリの翅の表面構造を模倣した膜を作製した(図3b)。 DAE誘導体1oと2oを等モル, クロロホルムに溶かした溶液をガラス基板上に滴下し, 溶媒を蒸発させることで, 混合微結晶薄膜を作成した。この微結晶薄膜UVVis.UVVis.

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