北九州市消防局風速:1m/s, 風向:南西 相対湿度:56% 注意報:発表なし図1 建物平面図1Reports 一方,出火当日の午前3時頃,居住者がトイレに行こうとした際に1階トイレの電気が点かないことを確認している。(居住者は,その時は電灯の球切れと思っていた。) このことから,出火時刻は不明であるが,出火までの経過として出火前日の23時半頃から,出火当日の午前3時までの間に停電が発生したことが考えられる。 イ 出火当日の朝,居住者は建物全体が停電していることに気づき,分電盤の各ブレーカーを確認しているが,ブレーカーは全て「入」の状態であった。 このことから,分電盤より負荷側の影響による停電ではないことが分かる。 1. はじめに 本火災は, シロアリによる屋内配線の食害と, シロアリ駆除の薬液散布が起因してトラッキング現象が発生したことが原因の火災である。 非常に稀な事案であるが, 類似火災を防止するため情報提供を行う。 2. 火災の概要 高齢の夫婦(以下「居住者」という。)が暮らす木造2階建て延面積298㎡の専用住宅において, 床面積12㎡及び収容物の一部を焼損した建物火災である。(図1) (1)出火月時 6月 朝方 (詳細な時分不明) (2)覚知月時 6月 10時48分 (3)鎮火月時 6月 11時28分 (4)焼損程度 部分焼 (5)気象状況 天気:晴れ, 気温28℃ (2)シロアリ駆除業者 ア 出火前日の10時から16時頃まで, シロアリ駆除業者がシロアリ駆除薬液(以下「薬液」という。)の散布を行っているが, 特に1階トイレの壁内に形成されたシロアリの巣に薬液約20Lを散布している。(写真1) 3. 発見・通報・初期消火状況 出火当日, 居住者は, 停電していることに気づき, 各種ブレーカーを確認するが異常が認められなかったため, 電気業者に点検を依頼している。その後, 居住者は, 居室内にいたところ, 屋内階段の天井に設置されていた住宅用火災警報器が鳴動し, しばらくして煙を確認したため, 屋外に避難し, 近隣者に119番通報を依頼している。 なお, 初期消火については行っていない。 4. 関係者からの情報(1)居住者 ア 出火前日,居住者は23時半頃までテレビを見ていた。このことから,23時半頃までは,建物は停電していないことが分かる。報文シロアリが引き起こす電気火災
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