しろありNo.178
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業務名, 業務場所, 実施年月日及び時間, 作業者名, 実施方法, 使用薬剤の名称と仕様,使用薬剤の空容器など, 使用量が分かる写真, 施工前, 施工中, 施工後の写真, 被害部が分かる平面図, 立面図, 写真(被害部にマーク, 被害部接写)等, 写真撮影日Reports14(1) 集会所のアメリカカンザイシロアリによる外周, 小屋裏, 室内等被害部確定を行う。(2) 防除のための被害部への薬剤の穿孔注入処理及び木栓での穴埋めを行う。(3) 被害予防のための薬剤散布を, 到達できる範囲の木材部分すべてに対して行う。(4)  非忌避性かつ伝播性および遅効性のフォーム剤もしくは液剤, 可能な限り人体や環境への影響が少ないものを使用する。(5)  防除業務完了後は下記の内容を含んだ報告書の提出を行う。 表1 防除業務仕様書 業務概要住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社 馬場庸介1)物件 地域の集会所として使用される建築年数35年の木造平屋で, 延床面積は約70㎡であった。施工面積は, 小屋裏, 室内, 床下を含め約180㎡と見積もられた。立体的に被害が発生するアメリカカンザイシロアリにおいては, 室内壁面, 建屋外周(ポーチ, 外壁)なども含めるとそれ以上の施工面積となる。2)アメリカカンザイシロアリ防除施工 防除施工は, 「事前調査」:被害状況, 作業工程の検討, 「防除施工」:建物全体のアメリカカンザイシロアリ駆除及び予防処理, 「1年点検」:駆除効果, 処理漏れ確認及び追加防除処理の流れで実施した。施工の流れを表2に, 事前調査・防除施工および1年点検における施工・被害確認部位について図1~3に示した。 穿孔注入処理については, 「乾材シロアリの総合管理システム」に穿孔注入処理の要点が記載されており参考になる。1. はじめに 一般社団法人関西・北陸しろあり対策協会(以下, 関西・北陸しろあり対策協会)は, A県B町において, アメリカカンザイシロアリ防除施工および1年点検を実施した。B町では, 以前よりアメリカカンザイシロアリの被害が知られてきた。B町はアメリカカンザイシロアリの被害拡大の防止と防除指針とすべく, 被害が確認されているB町の集会所で防除施工を計画し, 被害調査などを協力してきた関西・北陸しろあり対策協会へ施工を依頼された。協会はB町の事業をサポートすべく防除施工を受託し, 協会としての防除施工の標準化も見据えて, アメリカカンザイシロアリの防除実績がある会員業者の協力の元で施工を行った。関西・北陸しろあり対策協会関係者として防除施工に参加する機会を得た為, 施工概要の報告, および防除業務の中で感じた課題について考察したい。2. アメリカカンザイシロアリ防除施工 B町と関西・北陸しろあり対策協会の間で取り交わされた公益社団法人日本しろあり対策協会の「乾材シロアリの総合管理システム」1)を参考に策定された防除業務仕様書に基づき, 防除作業を実施した。防除業務仕様書の業務概要を表1に示した。報文アメリカカンザイシロアリの防除施工事例報告

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