しろありNo180
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Termite Journal 2023.7 No.180図1 新書籍「木材学」の表紙(一般社団法人 日本木材学会)216頁、定価2,400円)の全2巻で構成されている(図1)。出版元である海青社ホームページに掲載される内容紹「木材学の導入的教科書であり、木材に関する基本的「高校程度の知識があれば理解でき、大学などの教育321. はじめに 木材に関わる基礎科学的な研究から、建築材料等への利活用といった応用研究を幅広く推進し、研究成果を社会へ橋渡しする、日本学術会議協力学術研究団体の一つ「日本木材学会」より、2023年3月15日に新しい書籍が刊行された。「木材学」と名付けられた本書は、基礎編(A5判、269頁、定価2,600円)と応用編(A5判、介を引用すると「樹木から木材さらに各種製品への流れの中で、木材の基本的性質がどう生かされ関連しているのかを理解するため、木材に関する基本的で重要な知見を正確かつ網羅的に説明。木材を理解するための決定版テキスト。応用編・基礎編の2巻構成」と書かれている。また、本書のまえがきを一部抜粋するとで重要な知見が、正確かつ網羅的に説明されていること」、「さまざまな分野の研究者、技術者、学生、行政関係者などが木材を理解するための書籍でもあること」、の場で使いやすい内容と体裁であること」と書かれて森林研究・整備機構 森林総合研究所 神原広平おり、非常に分かり易く作られた教科書であることをうかがい知ることができる。本書の応用編では、シロアリや木材腐朽といった生物劣化に関わるテーマも取り扱われているので、簡単ではあるが本稿で基礎編と合わせてこれら2巻を紹介をしたい。2. 木材学 基礎編 基礎編は1章「木質資源と環境影響」(1.1世界の木質資源・日本の木質資源、1.2世界と日本の木材需給、1.3木材利用と資源・環境)、2章「木材の概観」(2.1木材について、2.2木材の巨視的およびミクロな特徴、2.3木材利用の視点)、3章「木部の形成」(3.1維管束の発達と樹幹の構築、3.2形成層活動の季節的変化の制御機構、3.3細胞壁の形成と有用成分)、4章「木質の基本構造」(4.1針葉樹材、4.2広葉樹材、4.3非木材素材)、5章「木材の物理的性質」(5.1密度、5.2含有水分、5.3水分吸着、5.4膨潤と収縮、5.5弾性、5.6様々な外力と破壊、5.7力学的特性に影響を及ぼす因子、5.8粘弾性、5.9塑性)、6章「リグニンおよび木材主要成分の分離」(6.1リグニンと化学パルプ化、6.2リグニンの分離、6.3リグニンの利用)、7章「セルロース・ヘミセルロース」(7.1セ情報Information【新書籍の紹介】木材学 基礎編・応用編 <全2巻>

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